これ履いて着物着てどこに行こう

着物用の履物は、浴衣とセットで売っているような赤い鼻緒の安物ゲタと、母親に押し付けられたキツキツの草履しかなかった。キモノで街歩きをするために、ちゃんとした履物を手に入れるのが急務であったのだが、今はゾーリやゲタなんて、駅前で気軽に買えるものでもない。さすがの私も、ネットで履物を買うのは靴ずれが怖くてできない。
なので、日本橋で打合せをすると決まった時には、これはチャンス!とひらめいた。頼み込んで打ち合わせの開始時間を1時間遅らせてもらって、行ってきました浅草の長谷川商店に。営業は平日のみ、夕方6時までというまるでドイツの商店のような、小売もしてくれる浅草の下駄の現金問屋だ。
http://www.kimono-taizen.com/shop/hasegawa.htm

お店に入っていくと、さっそくネットや口コミでの噂どおりの迫力あるお姉さんが近づいてくる。でもここで恐れてはいけない。予算や希望を言って相談すると、あれこれさっさと選んでくれる。しかも私が選ぶのよりだいぶ渋めのものをピックアップしてくれる。ああ、これが年相応ってことかと私も納得する。
写真は「もう予算オーバーだし、次にしなさい」と諭された畳表の台のゲタ。黒地に赤のひょうたん柄の鼻緒がとてもよく合いそうで、すっごく気に入ったんだけど。
恐る恐る持って行った母親の草履は、今はもう職人がいない手縫いのいいものだ、と言われて、私の足にぴったりの鼻緒に挿げ替えて、ついでに底も替えてもらった。新しい草履も買ったので、いっぺんに履物持ちになった。
私の足(23.5cm)は、標準サイズの台かLサイズの台か、どっちつかずの微妙なサイズということで、見栄を張って標準サイズにしてもらう。ちょっと足がはみ出しすぎかなー。反省。