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身丈が合うってだけで買った花模様の更紗、あちこちの店で端切れを見せて、「どんな帯が合いますかねー」と聞いて回ったんだけど、たいていの店ではぴんと来る答えがもらえなかった。
アンティーク着物のコレクションで有名なMs.Iのお店では、いつもの通りに怖いお姉さんがぎろりと端切れを見て「それはベージュでしょ」と一言。ベージュの帯なんて着物らしくない気がしたけど、〆てみればこの通り。なかなかお気に入りのセットになった。

最近面白く読んだのは、幸田文著「きもの」またー、キモノのことなら何でも面白いんでしょ、と思う向きも多いかもしれませんが、どうしてどうして。明治末期生まれのるつ子ちゃんが、子供から少女、大人へと成長していく過程で身につけていく着物の作法やその他の生活のこまこましたことが、絵で見るように描写されていて引き込まれる。関東大震災の日の場面描写など、これから起こるであろう東京の大地震の予見にもなっていると思う。おすすめです。