トスカーナ篇

This is Toscana これぞトスカーナ

そこに二つ星レストランがあるからという、それだけの理由でコレ・ヴァル・デルサというトスカーナの山あいの町にやってきた。フィレンツェから乗ったタクシーの運転手さんも道がよくわからず、適当な所で降ろされてしまった。延々と続く狭い石畳の登り道を、大汗をかきながら大きなトランクを押し上げて歩いているときは、ガタガタの道や狭い回廊のような街並みを恨めしく思ったけれども、何とここは紀元前4世紀から始まり、1000年も前に栄えた中世の都市だった。フィレンツェよりも古い歴史があるんだそうで。
やっと目的のレストランホテルアルノルフォにたどり着いた時は、何でこんなに苦労してここまで来たんだろうと思ったけれど、部屋に案内されて窓から見る風景に息を呑んだよ。これぞトスカーナって感じ。今まで見た色んなトスカーナ礼賛映画の、まさにその風景が広がっていた。

お料理やレストランの雰囲気やホテルの人たちのホスピタリティについてはもちろん申し分無く。ここは東京でよく行くイタリアンレストランのシェフがかつて修行していた場所でもあるので、貰ってきたメッセージを見せて、彼の推薦でここに来たんですよ、と言ったら、「オー、シロー」とちゃんとその日本人シェフのことを覚えていた。

日本人のシェフ志望者やイタリア料理研究家は、イタリアの色んなレストランで修行をしているらしく、このレストランも日本人スタッフは順番待ちなんだとか。みんな(ビザの関係でたぶん)無給で働いているんだろうなあ。がんばってね。