What can I say? こういう時何と言えばいいのでしょうか。

点滴はIV drip. ERで良く出てきたね

おばあちゃん(96)の所に食事の時間に合わせて行く。今度はちゃんと食べさせるぞーと張り切って。
ほら食べて、やれ食べて、と山盛りのスプーンを口に運んでいたら、入ってきた看護婦さんが、「あら、食べさせてもらっているの? いいわねー」とおばあちゃん言う。聞けば何と、今は自分で食べていると言うではないか。
なーんだ、と驚く私。ニコニコ笑うおばあちゃん。すっかりダマサレタよ。
腕はかろうじて動くけど、カラダの傾きを自分で直せないのは相変わらずで、寝返りすら打てない。頭ははっきりしてるけど、体中が痛い。動けない。そしてあまり眠れない。こうして覚醒したままベットにじいっとしている状態が24時間、あまり治る見込みもなくこれからもたぶんずうっと続く。点滴をしなければ、体はあっという間に衰えるだろう。

私もやがてこうなるのかな、とおばあちゃんを見ながら私は想像する。私だったらどうするかな。点滴はもうしないで、と病院に頼むかも知れない。そして、それは受け入れられるんだろうか? おばあちゃんはお医者さんが言うことは命令だと思って従う世代なので、点滴を自分で拒否するなんて思いつかないだろうけど。主義主張を覚えた世代の私はつい考えてしまう。

いまおばあちゃんがかろうじてしている生きることへの抵抗は、テレビのニュースを見るのをやめること。「世界から隔絶をはかっているの」だそうで。「前は世界中のすべてを知りたいと思っていたんだけどね。」だって。

テレビを見る気になるかと思って、「朝青龍がモンゴルに帰っちゃうんだって」と言ったら、「帰れ、帰れー!」と強く言う。もう戻って来なくていいそうで。戦争の時にモンゴルに行った皇族の誰とかを撃墜したので、おばあちゃんはモンゴルが嫌いなのだ。その皇族のお父さんはフランスで事故死、そのお父さんは台湾で戦死したそうで。そんなことをじっとベットに横たわりながら教えてくれる。

そして、「おばあちゃんが死んだら、おめでとうって言ってね」と言う。おめでとうと言えるのは、まだずっと先のことと思う(思いたい)んだけど。こういう時、何と返事をしたらいいのでしょうか。