マイしゃみ子&折れた糸巻き

去年の春にネットオークションで手に入れたマイ三味線だけど、一の弦の糸巻きが折れてしまった。糸巻きっていうのは、ギターでいえばペグのこと。ヘッドからぴょいぴょいと3本出ている、弦を巻きつけてきりきり〆て音程を調節する棒のことね。
スクールでレッスン中に、どうもうまく音が合わせられない私からしゃみ子を受け取って調弦してくれていた師匠1*1が、この糸巻き折れてるよーと発見。お付きのお弟子Boy*2がアロンアルファを買って来てくれて、真ん中からぼきりと折れた糸巻きをくっつけてくれた。その笑える応急処置で一ヶ月は何とかもったんだけど、糸巻きがなんか柔らかくて調弦しにくいし、音も良くないし、結局また同じところから割れてしまったので、もうダメだーと三味線屋さんに持って行ったのだ。
三味線屋さんは、新橋の某店に飲みに行くときに前を通る、SL広場からちょっと入ったところにある。今なら建築基準法で認可されない、木枠のガラス戸を開いて入るレトロな店構えだ。
いったいいくらかかるんだろー、と恐る恐る持って行ったけど、折れた糸巻き変えて、ほかの糸巻きもちょっと削ってくれて、さわり*3も直しておいたよーってことで全部で4000円だった。師匠が言ってた値段よりだいぶ安かったのでひと安心。ファミリーでやっているその三味線屋さんはすごく感じがよくって、しばらくおしゃべり。誰に習っているの?と聞くので、杵屋XX先生だけど、カルチャーセンターなんですーと言ったら笑ってた。
オーバーホールしてもらったマイしゃみ子だけど、糸巻きがどれもきっちりはまって、調弦が格段にしやすくなったのが嬉しいぞ。今までは音が狂うと膝から降ろして、三味線を立てて、真剣に力を調節しながらじゃないと音が合わなかったんだけど。きゅ戻り*4という、糸巻きが突然きゅるんと逆回転して弦がびろびろにゆるんじゃうことも多くて、弾いている最中にこうなると涙ものだったんだけど。
道具のお手入れって大切なんだなーと実感したよ。芸の道は才能と努力だけじゃないのね。師匠2*5の本番用おしゃみは200万円位するんだそうで。演奏家の本番用は、糸巻きは象牙で棹の木も固くて、中に音が響くように金が仕込んであったりして、すごく重いんだそうだ。木の糸巻きで軽い棹の練習用三味線ですら、長いこと抱えてると背中が痛くなってくる私だけど、三味線って、実は体育会系なんですよーと、師匠2*6は言う。確かに、三味線弾いてると汗かくし、なかなかよい運動になるよ。ひじから先だけだけど。

*1:Mr.

*2:芸大2年生でかわいー

*3:ってどこだろ

*4:公的三味線用語かどうかは不明 マイカルチャー三味線クラスでは多用

*5:Ms. 美人〜

*6:Ms. しかも酒飲み〜