金切り声の効果はナシよ

写真、手の振るえ収まらずブレブレ

ひとりで晩ご飯食べてたら、窓のほうからこげ茶の親指くらいの物体が、こちらにブ・ブ・ブと飛んでくる。
うわっ
私は飛びのいて、目を凝らしてそれを見る。
セミだよね…!?
そう思いたいけど、やっぱりそれはゴキブリだ。
ブ・ブ・ブ…。
どうしてゴキブリってこんなにゆっくり飛ぶのかしらね。
私は壁に張り付いて、食卓と天井の中間辺りをゆっくりと飛んでいくゴキブリを見守る。
ようやく、反対側の壁にゴキブリがとまって、もぞもぞとカーテンをあがっていく。カーテンのひだにでも入って見失ったら一大事。
私は意を決して殺虫剤を取り出して、へっぴり腰でこれでもか、これでもかとかける。日ごろのオーガニックへのこだわりなんて、かなぐり捨てましたわ。
殺虫剤攻撃にゴキブリは、痙攣したように走り回り始める。
イヤー、キャー、こっちに来ないで。
ウギャー、ウギャー、
ゴキブリが方向を変えるたびに私は叫ぶ。そして、はっと気がついた。


こんな声出してたら、サイコに襲われてるんじゃないかって、通報されちゃうかも?


ちょっと冷静になって、ゴキブリを見守る。
ゴキブリは部屋の端から端まで駆けずり回った挙句に、ようやく弱ってきたらしく、G自慢のスピーカーの影でヒクヒクしている。でもまだ動きを止めたわけじゃないので、いつまた走り出すかわからない。
どうしよう…。と途方にくれていたところで思い出した。そうだ、ゴキブリは洗剤をかければ窒息して死ぬんじゃなかったっけ。。
どうせ汚れるのはGのスピーカー、こんな非常事態に居ないのが悪いんだから、とゴキブリとスピーカーに思いっきり洗剤をかけて、スピーカーを動かなくなったゴキブリの上に乗せて、一件落着。
いつスピーカーの影からゴキブリが出てくるかとちょっと怖いんだけど、今のところ大丈夫みたい。


それにしても、冷房をつけずに窓開けっ放しの家で、あれだけギャーギャー言ってたのに、近所の人誰も助けに来てくれなかったよ。