タラのグラシオサ風風
魚コーナーでタラの切り身をみつけた板さんGが、丸元淑生氏のレシピ、タラのグラシオサ風を思い出した。しばらく作ってなかったのでジャガイモも使うことを忘れていたけれど、水分を吸うジャガイモが無い分、魚と野菜のうまみが混ざったスープがたっぷり出て、かえっていいくらいだった。
作り方は簡単。多層構造鍋の底に薄い輪切りにしたトマトを敷いて、その上にタマネギ、ピーマン、パセリといった野菜の薄切りととタラの切り身を乗っけて蒸し煮にするだけ。味付けはシンプルにお塩のみ。一番上に薄切りにして乗せて蓋にするというジャガイモが無い点がオリジナルレシピと違うので、名前も「タラのグラシオサ風」風だけど、野菜と魚の水分だけでスープがたっぷり出て、これがとっても味わい深くておいしい。1日置くともっとおいしい。

昨年がんで亡くなられたとのことだけど、丸元淑生さんの新家庭料理/シンプル料理シリーズの栄養理論とレシピは本当によく読んで実践したものだ。「栄養素をなるべく壊さない調理法」で料理するという考え方があるんだという事を、料理を始める前の高校生の頃に丸元さんの連載で知って、面白くて夢中になった。いつかこんな風に料理をしようとせっせとスクラップしたりした。
今私はなんちゃってマクロビオテックだけど、豆や穀物を発芽させて栄養価を高めて食べる方法や、素材を生かして最低限の調味料で調理するなど、重なるところもたくさんある。なんといっても手の込んだ調理をしたり複雑なソースを作ったりしなくても、素材そのままで十分おいしく食べられるレシピばかりなのがいい。
そんな中のひとつが、このタラのグラシオサ風だ。グラシオサというスペインのカナリア諸島の島は行ったこと無いけれど、この料理で名前を覚えた。レシピ本の多くは絶版で、うちのも表紙もページもバラバラになってしまったけど、時々見返して読みふけっているよ。今でもすごく参考になる。